Leading Papers in Japanは翼賛紙に落ちぶれたか?

<自民地滑り的勝利!>-昨夕駅頭で見かけたタブロイド紙Front Pageの白抜きHeadline--お馴染みの選挙結果予想。またかと呆れ、溜息をついて家路についたが、一夜明けて仰天。大手紙までが≪自民勢い止まらず。自公で300議席以上へ≫の大見出し。おまけに各選挙区ごとに情勢を詳説するご丁寧ぶりだ。
日本人特有の“集合的無意識”を煽り、衆院選の帰趨を制する意図でもあるのか?

「メディアの策略」とまで言いたくないが、有権者の模索を嘲笑うかのように---“まだ投票先の決まらない有権者が・・割いるため情勢は流動的”だと断りながらも--大衆迎合的な投票行動に誘導するのは見え見えだ。『日本の巨大メディアの体制擁護の深い堕落の実態』だとJCPのトップに糾弾されても仕方なかろう。


先の大統領選で米大手紙はBarack Obama支持を明確にしたが、一貫して署名入りで2候補の政策・言動、DC, GOP両陣営の動向や有権者市民の声をを分け隔てなく伝えた。単なる“発表ジャーナリズム”に走らず、ほとんどが長文のfeatures(特集記事)だった。そこには記者の肉声があった。聖域なき取材を通した正鵠な内容は読み応えがあった。
その点、邦紙の薄っぺらさには呆れる。大半がのっぺらぼうなcommodity news(日常情報記事)。米国のCNN Headline Newsやネットのニュースサイト並みのベタ記事だ。
大統領選で共和党員ながら4年前に引き続き早々とBarack Obama支持を表明した 元国務長官Colin Powell氏は、Obama再選、Romney敗北を受けて「右旋回しすぎたGOPのなかでは自分の出る幕はなく居心地が悪い」とポツリ。
いまThe NY Times,The Washington Post,The LA Timesなど米大手紙はいずれも日本が“急速に右傾化”しつつのを懸念し警戒している。もとよりアジア諸国はそうに違いない。選挙戦終盤を迎えた現在、国際社会・世界の日本に注がれる眼を意識した候補者の言葉や声は聞かれない。

そうした中で目が離せないのがThe NY Times東京支局長Martin Fackler氏のFeaturesだ。今年3月9日付同紙Web Siteの署名記事“Nuclear Disaster in Japan Was Avoidable, Critics Contend”が日本にも衝撃を与え、同3/10The NY Times本紙に掲載され、その肉声と筆力が注目されたFackler氏。12/2付The NY Times International WeeklyのWorld Trend欄に掲載された“Hopes Fade for Those Displaced by Japan's Nuclear Disaster”に続き12/9付NYT Week
Review一面に“Japan Turns To Arms To Counter China's Rise--In a first since World War Ⅱ, the Japanese give defense aid to neighbors”のページ・ジャンプ(ページをまたいだ)記事を載せている。
同氏は我が国大手紙を、極く一部のFeaturesを除き、<(権力との)癒着文化>と揶揄・指弾している。