Obama reelected as the 2nd Term--右傾化し過ぎのGOPに未来はあるのか?

米大統領選投票終了後の開票に手間どっていたFlorida州の最終結果が出た。ここでも僅か7万票余りの僅差ながら、Barack Obamaが制した。50.01%対49.13%。


代表人獲得者数は332対206。GOP,Romneyにとって思わぬ大差となった。
swing statesを全て勝利したPresident Obama。長い苦闘の末の圧勝と云うべきか?--"Part 2 of Hope and Change"が確定した夜、地元Chicagoでの27分余のVictory Speechの中に次のような一節がある--



"The role of citizens in our democracy does not end with your vote. America's never been about what can be done for us; it's about what can be done by us together, though the hard and frustrating but necessary work of self-government. That's the principal we were founded on"
(我が国の民主主義における市民の役割は、投票をもって終わるわけでではありません。アメリカは、自分たちのために国が何をしてくれるかではなく、我々が協力しあって何が出来るかを問いかける国です。自治という大変で報われないけれど努力を通じて。これこそこの国の建国の精神なのです)
奇しくも1961年1月20日、第35代大統領J.F.Kennedy's Inaugural Addressのかの有名な言葉を彷彿させる--

"And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you--ask what you can do for your country"
President Obamaの再選に対し国際社会は概ね歓迎だ。「世界の反応は、概して安堵の息をついたという感じだ」と米NBC News。
が、Barack Obamaは勝利の余韻に浸るヒマなどない。迫り来る"Fiscal Cliff"(財政の崖)の回避ためD.Cに直行、GOPのトップJohn Boehner(ベイナー)下院議長と協議を開始した。



President Obamaの再選に兜を脱ぎながらもベイナー氏は「回避に向けてオバマ大統領が指導力を発揮する必要がある」「生産的な対話が近く始まることを期待している」と述べた上で、「富裕層向け増税には強く反対だ」「税制改革などを通じた歳入増につき検討可能だ」と主張、大方の民意に拘らず頑迷、党派性露わだ。



因みにBarack Obamaは選挙戦最終番、遊説を取りやめ米東北部を襲ったハリケーンSandyへの対応に奔走した後、次のように語っている--
「米国の繁栄の基礎となったのは、中間層の強さだと私は確信している。少数のトップ層が豊かな生活をする一方、大多数が暮らしに困っている状態ではうまくいかない。だれもが公平なチャンスを与えられ、等しく役割を果たし、同じルールに従うとき、国全体がより豊かになるだろう」
こうした論理と理念に異議を唱え、下院を制している数を頼みにPresident Obamaの政策の大半を潰してきたGOPに対する嫌悪感・忌避反応は、女性や黒人・ヒスパニック・アジア系米国人のMitt Romneyへの支持率の異常な低さを見れば明らかだ。

Tea Partyなる超タカ派集団に引き摺られ、穏健派まで右旋回したGOPこそアメリカ政治の本流から転げ落ちる懸念がある。