ターニング・ポイント

今年の漢字一字『絆』やPM Nodaの<収束宣言>を声高に批判するつもりはないが、被災地の現状に照らせば首を傾げない方がオカシイ。

TIME誌のPerson of the Year(今年の顔)“Protester”(抗議者)との落差は何を意味する?

M紙の「日本よ!悲しみを越えて」の中で作家O.Kさんが述べている--「被害者の立場の人々が分断され、対立させられてしまっている。そうなることで一番安泰なのは誰? 権力はいつも、被害者を分断し、対立させることで生き延びようとする」--何が<絆>だ!
福島で医療相談会を開いたある小児科医は「子を持つ親の多くは、放射能への心配よりも、その心配を口にできない辛さに苦しんでいた」と云う。不安を口にするだけで、「風評被害を煽るな」とか「福島の評判を落とすのか」と批判される。オゾマシイ国だ。まるで70年前、戦地に息子送り出す親たちが悲しみと不安を口できなっかた戦時と変わらないではないか。

自分で考え、流されずに行動することが何故か難しいこの国で、「放射能が怖い」のひと言すら口にすることを許してくれないこの社会で、もっと根っこの強い、揺るがない人の力が生まれるかも・・・。

先日来日したTom Cruiseが被災地に投げかけたメッセージ“Go Beyond Impossible”(不可能を乗り越えて)は鮮烈だ。
“Overcome Sorrow ”(悲しみを乗り越えて)とボクもひそやかに呟きたい。抗議するのが至難な国だから・・。
先週のことだ。“Flotsam from the March tsunami in Japan has started reaching the U.S. West Coast”(津波で流されたブイか漂流物が米西海岸に流れついた)との報道。
PM Nodaの「収束宣言」を受けてNYT電子版は“Japan's Premier has declared an end to the world's worst nuclear crisis since Chernobyl...”と明言。 cold shutdownの解説は影が薄い。
この国は何処に」向かおうとしているのか? ボクたちはターニング・ポイントに立っている。