元凶は議会--なりふり構わぬanti-ObamaのGOP

Barack Obamaが大統領選に勝利して丁度3年になる。いよいよ一年後が気になり始めた。GOP側は反Obamaの合唱で予備選が盛り上がっているかに見えるが、候補者が乱立し、もたついている。それもそのはず、確たる政策が見られないからだ。


とは云え、9%の高止まりの失業率と経済情勢が好転しない限り、President Obamaの再選は困難だとする見方が強い。全米の熱狂的歓迎と期待を背に登場した大統領就任時のBarack Obamaの支持率は60%を悠に超えていた。それが3年経たぬ内に40%前後に急落しているのは何故か。Obamaに致命的な失政があったのか。
否。2010年の中間選挙のDPの大敗、なかでも下院をGOPに支配されることになったのが痛恨の極みだ。以来、Obama政権が打ち出す財政再建のための富裕者層への増税を財源とする雇用対策法案は悉くGOPの下院が阻止するという図式が続いている。

つい先日も下院が“In God We Trust”(我らは神を信ずる)なる米国の公式標語を再確認するなどというワケの解らぬ決議を採択したという。

「雇用対策をやる時間がないと言いながら、そんな決議を上げる時間があるのか」「記念コインのデザインについて議論しているわけじゃあるまいし、そんな決議で人々に職が戻るのか」とPresident Obamaは反撥、John Boehner下院議長(GOP)を痛烈に批判した。


米メディアは同決議について、来年11月の大統領選を視野に、キリスト教右派の支持を取り付けようとするGOPの戦略の一環だと指摘。“宗教票”欲しさの議決が優先する「何もしない議会」「Obama政権を機能マヒにさせる下院」への米国民の批判は強まらないワケがない。Gullup Comの世論調査によれば、国民の議会に対する支持率はわずか13%に過ぎない。

“We are 99%”“I have had a life full of opportunities”の反格差デモの矛先はThe White HouseやObama政権ではなくGOPが制するThe House of Representativesに向かうべきだろう。

折も折り、Obama for AmericaのCampaign Manager, Jim Messinaからe-mailが届いた。
2012大統領選に勝利するには、3年前に劣らぬgrassroots campaignが不可欠だと訴え、Barack Obamaの三年前のChicago Grand Parkでの勝利演説を再映。読めば読むほど感銘深い---
“Even as we celebrate tonight, we know the challenges that tomorrow will bring are the greatest of our lifetime...The road ahead will be long: our climb will be steep: we may not get there in one year or even in one term. But, America, I have been more hopeful than I am tonight that we will get there. I promise you, we as a people will get there...but there's so much more to do.”