Obama's do-overとは?

4年前の2007年9月12日、PM Abeが突如辞任表明。前日の臨時国会所信表明演説を終えたばかりだ。前代未聞の離れ業に永田町には衝撃が走ったが、海外メディは冷笑と憐憫の論調で軽くあしらった。
ABCは“SAYONARA ABE”.The Washington Postは“The departure of Prime Minister Abe”.英The Independentは『権力の驕りを示す教科書のようなもの』と論じ、東南アジア各紙は『タカ派路線の破たん』、インドの英字紙は『恥ずべき退陣。改憲の支持得られず』と突き放した。世界的に見れば些細な出来事だったわけだ。

すでにこの頃から世界のメディアは2008年秋の米大統領選の行方に注目し始めていた。2007年暮、Barack Obamaの存在がクローズアップされ出した。DP予備選では早くからHilary Clinton女史が本命視されていた。が、大方の予想を覆したのがObama氏、新年早々、1/3アイオワでの党員集会でClinton女史を大差で破り華々しくデビューした。


Time flies very quicklyだ。“Yes, We can”“Change We can Believe in”をキャッチフレーズに全米はおろか世界を席捲したBarack ObamaMartin Luther King, Jr.を彷彿させるものがあった。
いま、来年秋11月の大統領選で2期目をめざすこのスピーチの達人に暗雲が垂れ込めている。jobless rateは9%台で高止まり、黒人となると16%、ヒスパニック系は11%。4人家族で年収$22,314のPoverty Line(貧困ライン)以下の国民が昨年260万増え4600万人。90年代半ばの“lost decade”(失われた10年)の再来である。



去る8日President Obamaは“The Speech to Congress on Jobs”(雇用対策演説)を上下両院で行なった。今後3年間で$4470億を投じる計画だ。12日に議会に提出、関連法案の承認を求めている。
演説当日Obama氏かメールが届いた。“I'm about head to the Capitol to ask Congress to act on my plan to put Americans back to work”と並々ならぬ決意で国会に向かった。スピーチの冒頭部で前週、記者団から投げかけられた質問を紹介した。“What will this speech mean for the President? What will it mean for Congress? How will it affect their polls, and the next election?”「雇用対策演説は議会対策か?自らの支持率対策?次期大統領選対策か?」---辛辣な質問だ。

下院をGOPに支配されているのがObama氏にとって何とも痛い。Obama氏の政策のほとんど全てを下院が阻む。そして、早くもヒート気味の2012年に向けのGOPの指名争い。直乗りをあげた面々がこぞってObamaバッシングの大合唱だ。

続く不況がObama氏支持層の中核を直撃、Obama離れが加速化している。先の演説後、小幅上昇したが43%と低迷。
雇用情勢は悪化していると感じる米国民も、President Obamaだけに責任があるとは考えていない。「皆が彼に協力して解決すべきなのに、政争と強欲とが米国を支配し、分かち合うことを忘れている」Obama氏の心中を代弁する良識ある見方だ。


GOPの裏には狂気じみたTea Partyの存在がある。
某アナリストは「支持率が40%近くかそれ以下になれば、現職の利点はなくなるだろう」と指摘する。