Obama再選に暗雲?

最近President Obamaの動きや政策にほとんど触れなかった。1つにはOFA(Organizing for America)からのメールがこのところ激減傾向にあるからだ。
直近の<2012 BARACKOBAMA. COM>から届いたCampaign Manager, Jim Messinaの8/2付emailのタイトルは“Here's the story”-

“The President and congressional leaders reached an agreement last night to meet our financial obligations and reduce our deficit. Many people will have lots to say about this deal--but the President wanted to talk to you directly”(大統領と議会指導者たちは昨夜、債務不履行を回避すべく歳出カットする点で合意に達した)その上で、Dept-Agreementに関する大統領のホワイト・ハウスからのスピーチビデオを流した。

その2日後の8/4,Barack Obama50歳の誕生日。Michelle夫人から“Gray hairs”なるメールが届く。“I'm asking friends and supporters of this campaign to wish him a happy birthday by signing his card, and sharing why you're on this journey with us”と再選に向けての支持者にBarackのbirthday cardへの署名を求めている。
Thanks for being a part of this(ご協力ありがとう)とMichelleさんは結んでいるが、ここへきて来年ニ期目の再選が窮地に立たされている。

President Obamaが8/1(日)夜、government debt ceiling(国際債務上限)の引き上げに議会指導者たちと合意したと発表したとき、世界は安堵のため息をついた。が、すべて緊縮財政(budget cut)・増税なしの産物である。

Tea Partyを背景にしたGOP保守派の要求を丸呑み,President Obamaの敗北だ。GOP内部は満面の笑み、DPはお通夜だ。DPのリベラル派は猛反発。Nancy Pelosi前下院議長曰く--“Satan sandwich with Satan fries on the side”(悪魔のサンドイッチとフライを食べてしまった)

Obamaを大統領に押し上げた若者の草の根運動はすでに昨夏ごろ消滅、The NY Times最新号に増税を免れた金持ちの年配紳士に資金カンパを請うObama氏の風刺画が載っているほどだ。
さらに追い討ちをかけたのがStandard & Poorsだ--“Standard and Poors cut the long-term U.S. credit rating by one notch to A-A-plus”(S&Pは米国の長期の格付けを1段引き下げA・A+とした)

steep decline(株価急落)とglobal stock plunge(世界同時株安)、米$が世界の基軸通貨から転落の危機に瀕している。


President Obamaにとってこれまでにない受難だ。
Obama氏は1年半前ABCのインタビューで,“I will be a good one-term president than a mediocre two-term president”(凡庸で二流の大統領を二期務めるより一期限りの優れた大統領でいたい)と述べている。
そのObama氏が次期再選を意識する余り、保守派、共和党と政策に妥協し過ぎたのではないか。バカの一つ覚えで、減税だけを唱えるGOPは困ったものだ。緊縮財政と減税をすれば経済成長するとは限らない。

今度の“the scary game of brinkmanship between the country's two political parties”(米国二大政党間のゾッとするような瀬戸際ゲーム)は終わったが、我が国じゃあるまいが、米議会の無能力振りを見せつけられた。政党のイデオロギーと党利党略のためには、default(債務不履行)のリスクも厭わないと考えている輩が議会に沢山いるという阿呆なメッセージを世界に発信してしまった。

Long-term recovery puts Obama's short term at risk(長期間を要する経済回復がオバマ氏の在任期間を縮じめる懸念)とThe NY Timesのリベラル派ジャーナリストHelene Cooper女史。

著名なコラムニストMaureen Dowd女史もPresident Obamaを“Withholder in chief”(控えめな指揮官)と題し、“Obama has turned out to be the odd case of a pragmatist who can't learn from his mistakes and adapt”(オバマ氏は自ら犯した誤りから教訓を導き対処することの出来ない風変わりな実益主義者になってしまった)と手厳しい。

リベラル派論客によるPresident Obama批判がここへ来て激しさを増している。それだけ、大統領当選時の期待が大きかったわけだ。Obama氏は国家のunityを優先し過ぎた。それがため野党GOPと妥協し過ぎた。「信念無き大統領。再選のためにはなりふり構わぬ大統領」と糾弾され、Obama氏自身、遊説先で「私から昔のような輝きがなくなったことは承知している」と笑いを買う始末だ。あの、颯爽とした姿と名スピーチを聴きたいものだ。