能力と洞察力と不屈の精神ー花咲くnadeshiko plant

小柄で身体能力に劣る日本女子チームがW杯を勝ち抜くのは無理だとするのが大方の予想だった。この見方を見事に裏切った。


20年以上に亘り、サッカーW杯や五輪をレポートするThe Int. Herald Tribuneのcolumnist、Rob Hughes氏は“A team challenged for size comes up big”(体格以上に大きなチーム)と題して、7/19付一面トップに注目すべきコラムを記している。

多くの日本人ばかりか世界のサッカーファンが驚嘆し絶賛した。3/11の未曾有の惨禍が勝利を後押し、神風が吹いたと言わんばかりだ。resilient(逆境からの立ち直り・不屈の精神)が共通語、流行語としてメディアに飛び交っている。が、果たしてそれだけか。Hughes氏は疑問を投げかける。The Nadeshiko Japanの真の遺産は果敢にかかる神話を覆した点にあると言う。
これまでとかくアジアの男子チームや監督はW杯に敗退するたびに体格の違いがネックだと弁明してきた。
R. Hughes氏は明言する--“Led by Homare Sawa's extraordinary amalgam of talent, vision and tenancy, the Japanese women simply would not give in to that preconception”(人並み外れた能力と先見性と不屈の精神を合わせ持つHomare Sawaの率いる日本女子チームだ。かかる既成概念に屈するはずがなかろう)
過去日本チームが歯が立たなかった相手を次々と破ったモノは何か。他のチームの追従を許さない“ingenuity”(創意)にあった。


R. HughesはThe Nadeshiko Japanについて形容する--“Timing and determination”(絶妙のタイミングと決断力)/ “Fascinating psychology”(魅惑の心理作用)--むしろ拙訳などは無用だろう。

W杯チャンピオンに輝いた価値についてインタビューされたHomare Sawaのコメントだ---
“Japan has been hurt and so many lives have been affected. We cannot change that. But Japan is coming back and this was our chance to represent and show that we never stopped working.”(日本は傷つき多くの人たちが悲惨な状態にある。私たちはこのような状況を変えることは出来ない。が、日本は立ち直りつつある。私たちの勝利は日本は決して立ちすくむことがないということを代弁し実証する役割を果たした)

冷徹でで驕りや浮ついたところを全く感じさせないセリフだ。