21世紀版「日独伊三国同盟」は無理か?

Fukushima Nuclear Plant事故を機に、脱原発原発開発停止が世界の潮流になり加速化しつつある。
海外メディアはJapan Nuclear Crisis(原発放射能クライシス、ニッポン)として警戒感を強めている。

EU圏では脱原発王国としてドイツが先頭を切っているが、イタリア国民も負けていられない。原発再開の是非を問う国民投票が行われた。投票成立要件は投票率50%以上。政府閣僚の一部が国民にNo Votingとボイコットを呼びかけたが“空しく”57%に達し、開票結果は95%が原発再開反対支持と相成った。


完敗のベルルスコーニ首相は「原発よさうよなら」「政府と議会は国民投票の結果を受け入れる義務がある」と声明を発した。
ベルルスコーニ氏を取り巻く情勢は我がPM Kanに劣らず厳しい。醜聞が絶えず首相の座から追放されない保証は無い。

二ヶ月前になるが娘夫婦の友人夫婦がフィレンツェ郊外からやって来た。伊PMの話しに触れると両人とも顔をしかめる。よほど国民に不人気のようだ。

追放と云えばフィレンツェから追放されたイタリア文学史上最高の詩人がいる。Dante(ダンテ)だ。フィレンツェにある生家は寂れた廃墟のようだが観光客が絶えない。客死したダンテ、遺骸はラベンナに埋葬されたままだ。墓碑は語る。
   生まれはフィレンツェなれど
   その母に愛されざれし
   われダンテ
   故国を追われてここに眠る


ダンテと云えば『神曲』(Divina Commedia)だ。その中の一編「地獄編」、≪神および自然の業を蔑んだ者に火の雨が降りかかる≫とある。何故か3/11の巨大津波による原発事故を髣髴させる。『神曲』は煉獄を描いている---≪その時、まるで崩れ落ちんばかりに/山が揺れ動くのが感じられた。私はゾッとした。/死地へ赴く人が覚えるような寒気が背筋を走った≫

世界に広がる脱原発震源地の日本はどうか。停止中の原発の運転再開を経産相地方自治体に要請したいう。「原発撤退」は重大な電力不足に陥るというが、日本の技術力をもってすれば、再生可能エネルギーの創出・普及もも出来るはずだ。経産相の要請には「根拠が不明」だと原発を抱える自治体の首長から反撥の声が上がっている。

政府は「電力供給不足」を理由にした電力会社の言い分を優先している。加えて、奇怪なことが起きている。大震災の義援金原発事故でのTEPCOの賠償金の仮払いを受けた被災者が生活保護を打ち切られたと云う。義援金もお涙程度だろう。これじゃ踏んだり蹴ったり、煉獄だ。

戦前の悪名高い枢軸国の軍事同盟ならぬ、脱原発での21世紀版<日独伊三国同盟>は夢のまた夢か...? Nuclear-freeはpower plantsには通用しないのか...。欺瞞的で“あいまいな国、日本”だ。