政治的rhetoricを抑制したObama Tucson Speech-“We can be better”

President ObamaのTucson Tragedyへの対処に対する米国民の高感度は高かった模様だ。米国人ならずとも感動を呼ぶ30分余の追悼集会での語りかけ。惨劇へのObama氏の反応に、政治的ベクトルから見ても肯定的意見が多い。10人に8人が高得点を付け、口悪いGOP議員や支持者でさえも71%が大統領のリーダーシップを評価している。得てしてObama氏に辛口のコメントを寄せるThe Washington Post-ABC Newsの調査によるものだけに信憑性は一層高い。

悲劇の犠牲者追悼集会に山場に焦点を合わせたObama氏のaddressのタイミングが見事だった。今後待ち構えている難題山積、対立必死の議会運営においても、Obama氏と下院との関係は多少雪解けムードにならないものか。過度の期待は慎むべきだが、多少明るい見通しも無くはない。Obama Tucson Speechに声高な政治的rhetoricが見られなかったのが幸いしたと思う。

 気がつくと昨日17日(月)はMartin Luther King, Jr. Day。レーガン政権の1986年以来、キング牧師の誕生日1月15日に近い1月第3月曜日を国民の休日(U.S. federal holiday)と定めた。

「2004年、Obama氏はニューフェイスとして事実上大統領選出馬宣言。その中の歴史に残る名言がいま想起される。
“There's not a liberal America and a conservative America; there's the United States of America....a black America and a white America; there's the United States of America. ”
この中で明確なのは、Obama氏が節度を欠いた無謀な対立を拒絶することに真剣だった点だ。先週の彼のスピーチが力強く聞こえたのはまさにかかる信念に起因する。丁度二年前、米国はObama氏の大統領指名受諾演説を耳にし、キング牧師の抱いた夢の実現を頭に描いたのは当然である。キング牧師の偉大さはいまなお生き続けている。それは同氏の夢がアメリカ人の使命と希望の物差しとなって残存しているからだ。」

米国の著名な作家James Carroll氏によるBoston Globeへの寄稿コラム“When the nation shudders”(国が震撼するとき)からの引用だ。