Tucson Tragedyの衝撃≪5≫(To be continued)

Tucsonの惨劇についてピューリッツァ受賞のジャーナリスト前The Washington Post副編集長Eugine Robinson氏は“We may not be sure that the bloodbath in Tucson had anything to do with politics, but we know it had everything to do with our nation's insane refusal to impose reasonable controls on guns”

(ツーソンでの凄惨な事件が政治がらみだとは断言できないが、理にかなった銃保持規制を課すことさえ拒否するこの国の狂気の風土に100%関連があるのは確かだ)と指摘したうえで、「特に注目すべきは今回の凶行に銃口9mmセミ・オートマティクのGlock pistolが使われている点だ。ほっそりした殺傷力の強いピストルで我が国の甘い銃規制により、大人になりきっていない若者がいつでも手に入れ、好きなところへ持ち歩き、その揚げ句、気に入らない下院議員の頭を至近距離から狙い撃ちできるという按配だ。

「確かに最近、某政治グループの某氏による“Don't retreat, instead---reload!”(撤退するな。弾をこめよ!)などという激しいスローガンを耳にするが、これとて政治的隠喩であって、直接行動を指示したものではない」と論評している。
とはいえ、この“Don't retreat, instead--reload!”に代表される扇情的激しい言辞はSarah Palinの常套フレーズ。E.Robinson氏の言う、metaphorの域を超えた政治的対立を煽るお馴染みのrhetoricだ。これがTea Partyを勇気づけ、狂信的anti-Obamaの連中を凶行に走らせる一因になったことは否定できない。


Tucson shootingの後4日間沈黙を守ってきたSarah Palinが自らがThe Midterm Electionの際に展開したDC候補叩きの激しいrhetoricが今回の悲劇を誘発させたとする大方の世論に対し、7分間余りのビデオ・メッセージで“Journalists and pundits should not manufacture a blood libel that serves only to incite the very hatred an violence they support to condemn.”(ジャーナリストや評論家は≪血の中傷≫を捏造すべきではない。彼らが非難する対象の憎悪と暴力を鼓舞するのに力を貸すだけだ)と反論に出た。


この世論の怒りを鎮めようとするSarah Palin女史のメッセージは反ってメディアや国民の怒りの炎に油を注ぐ結果になりそうだ。
一方、Tucsonを訪れたPresident Obamaは30分以上に及ぶスピーチを行なった。スピーチと云うより、追悼集会に集まった14,000人に及ぶ聴衆に対し、周到に事前準備された語りかけである。
Obama's Addressには非難の言葉は全くなく、国民融和と対立の癒しが基調となっている。

“There is nothing I can say that will fill the sudden hole torn in your hearts. But know this: the hopes of a nation are here tonight. We mourn with you for the fallen. We join join you in your grief. And we add our faith to yours that Representative Gabrielle Giffords and the other living victims of this tragedy and pull through ”(突然皆さんの心を切り裂いた穴を埋める言葉を私は持ち合わせていません。しかし、我々は知るべきです。この国の希望が今晩この場に存在するということです。我々は犠牲者を皆さんと共にお悔やみし、さらにこの惨事により辛うじて命を取りとめたギフォード議員や多くの負傷者が恢復されるよう祈念したい)

Obama氏は「彼等の犠牲は、我々が公の会話で、もっと礼節を持つように導いてくれているのだ」と、米国民が党派の対立を超えて、礼節や良識を持って議論することの大切さを訴え、9/11テロの日に生まれ、今回の事件で犠牲となった9歳の少女のChristina Taylor Greenに触れ、「私たち大人が慣れきった虚無や悪態などの汚れを知らないまま胸を躍らせて政治集会を訪れていた彼女の期待に、私たちはは応えるべきだ」

Sarah Palin氏の激しい反論と祈りにも似たBarack Obamaの国民の結束の訴えは、好対照をなすものだが、いずれも2012の大統領選を意識したものだ。