キーワードはやはり「創新」・・・

松の内”と云えば、松飾を飾っておく期間、通例元旦から1月15日までを指したものだが、最近は7日の七草粥を食べ終わればオシマイとされている。


ところが今年はお正月気分がなかなか抜けない。1つには公立学校の三学期の始業が11日にずれ込んだせいもあろう。8日が土曜日でおまけに成人の日を月曜の10日にすえたからだ。児童・生徒にとって嬉しきことかそれとも後にツケがまわるか。4日に役所や企業の多くは新年初顔合わせ。私学も大学によって5日スタート、中高なども7日か8日始業だ。
お正月は目出度いものか?
めでたさも中くらいなりおらが春(一茶)
昨年(こぞ)今年貫く棒の如きもの(虚子)

正月に対する冷めた発句の代表格だが、物知り顔に冷めた見方、分析、論評ばかりするのも如何なものかと考える。
その典型が米国の雇用情勢の見通しだ。暮れの12月に就業件数103,000件を記録したものの、2010年は失望感をもって終わったという。一時期の大きな雇用創出をもってしても景気回復・経済情勢の救済は到来しないだろうとの予想に立っているわけだ。いつまで続く景気回復に向けての苦闘、昨日金曜日の報告によっても失業率9.4%は動かない。President Obamaの四年任期の残任期間を通じて、少なくとも8%以上の失業率で高止まりするだろうとの悲観的見方があり、これがObama政権にとって最大の危険信号。The NY Timesの経済担当記者の予測である。


Slow Job Growth Dims Expectation of Early Revival(緩慢な雇用創は早期景気回復の期待感を曇らせる)が同紙の最新予測。
ここまでpessimisticで冷めた見方をしなきゃならないのか。
今朝のTV News番組に四つの分野の有識者が今年のキーワードを投げかけていた。①新たな価値の創造のための変化②守りの戦略から攻めの戦略への転換③創④力の基本構造の変革
相変わらず、変化・転換・変革などという常套文句が並んでいるが、これらをまとめて一言でいえば『創新』だろう。

僕に言わせれば、≪内向きになるな≫≪前を向け(Look ahead≫≪外の世界に目を注げ≫≪異質なものとコミュニケーションすべし≫となる。
余談だが、前述のお正月と冬を描写した秀句を先ごろ届いた「久保田万太郎句集」(角川文庫:初版本)の中から拾ってみる。
  去年(こぞ)の月のこせる空のくらさかな
  冬の月しきりに雲をくぐりけり
  はつゆめのせめては末のよかりけり
  冬薔薇の真珠日和となりにけり
かつて俳人内田誠氏が語ったことがある---
芥川龍之介に、子規以後、虚子、碧梧桐を別にして俳人として誰が残るだろうか訊いたところ、芥川は言下に、それは久保田万太郎だと答えた」

万太郎の処女句集『道芝』に序を寄せて、久保田万太郎の俳句を東京の生んだ嘆かいの発句と言った芥川は昭和2年、その序を書いた年の7月、自ら命を絶った。

翌昭和3年の7月14日万太郎は芥川の一周忌に寄せて---
  芥川龍之介大暑かな