“behind the scene”のJoe Biden---舞台裏の見事な影武者ぶり

“Bush's tax-cut”をめぐるPresident ObamaのGOPへの歩み寄りにDCのリベラル派は猛反発、仲を取り持ったVice-President Joe Bidenの舞台裏(behind the scene)での奮闘は涙ぐましく、その存在感が高まっている。
2時間にわたり、the White Houseと国会の地下を往き来してなんとか合意をとりつけた。



NY州選出のリベラル派下院議員Anthony Weinerが立ち上がってBarack Obamaをこき下ろした。「トップリーダーがいつから取引屋に成り下がったんだ」

DC内の論争の過程にあっても、Joe BidenとAnthony Weinerのやり取りはいつも穏やかなものだった。2008年長い大統領予備選に打って出たJoe Bidenだが、予備選開始時の同氏の第一声は「Obama氏は言葉は明快、頭脳明晰、高潔な人柄のナイスガイ、王道を行く初のアフリカ系米国人だ」と評価した。
大統領として任期半ばを経たObama氏、その間一貫して緊密な関係にあったJoe Biden氏への信頼度は一段と高くなりその役割は重要性を増している。
大統領主席補佐官Rahm Emanuel氏が去った後、Obama氏が自らの政策を推進するには下院GOPとの交渉は難航を極めるだろう。その時、助言者として影武者として多彩な使者の役割を発揮するのがJoe Biden氏だ。
今度のtax-cut法の延長問題についてもGOPとの交渉を精力的にこなすだけではなく、Obama氏に当面、GOPに譲歩する方途を見出すべきだと促したthe White Houseの要人は彼一人だ。


DC,GOP両党ともJoe Bidenには一目置く。DCの重鎮J.Dodd氏も認めているが、“豊富な知識”“多くの議員・政治家との交友関係”においてJoe Bidenの右に出る者はいない。

彼はDC左派からも信頼される一方、上院議員としての長いキャリアを通じてGOP議員とも協働し進んで議会での職務を果たしてきた。他の多くの政府高官に比べ、識見が教条主義的でないのが強みだ。
Vice Presidentとしての黒子役のJoe Biden氏、Obama氏と共に大統領執務室で政策決定に関与するほか、ロシアとの関係に決定的影響を及ぼす新STARTの上院での批准に向けて懸命だ。


年が明ければ、下院はGOPが支配し、上院も勢力が拮抗する。そんな折、Joe Bidenの役割はさらに高まろう。政府高官は「Obama氏は自ら掲げた政策を推進するため36年に及ぶ上院議員歴が築き上げたJoe Bidenの人脈を通じた交渉能力を最大限利用することになるだろう」と語る。

Joe Bidenはどこかの国の闇将軍とは格が違う。地味ながらいつも微笑を絶やさない凛として悠然たる姿は人徳のあらわれだ。その貫禄はObama氏にとって誰よりも頼りがいがあるに違いない。