排外と拝外

Nobel Peace Prizeの授賞式が近づくにつれて、中国当局は主催するオスロと出席を表明している各国大使館に対し、圧力と警告を強めている。


なぜそこまで神経質にならなきゃならないのか。ボクらにはよくわからない。
劉暁波氏が平和賞を授与され、それを国際社会が認知したり祝福したりすることが中国当局は現体制の崩壊の道を開くことにつながると危惧しているのか。

そうとも思えない。
政治体制に対する自国民による批判を許さない彼らにとって劉暁波氏は目の上のタンコブなわけだ。Aun San Suu Kyi女史に対するBurmaの軍政に似ている。
つまりメンツだ。

かつては元中国共産党中央委員会のメンバーだったBao Tong氏は「Liu Xiaobo(劉暁波)のNobel Peace Prize受賞のニュースは同氏を支援する者たちにとってまたとない吉報だ。刑務所の独房に収監されている劉氏にも、そして彼の志を支援する我々すべての者たちのもとにもこの吉報が届いて欲しい」と述べている。

その上で、Bao Tong氏は“Mr. Liu's aim in drafting the Charter 08 manifesto was to promote human rights, and his way was through non-violent struggle. 'Rights for all, through peaceful means': This is the purpose of Chinese 08 and we believe it is the only way to a modern and civilized society in China ”(「08憲章」を草案するうえで劉氏の目指したものは人権の促進だった。そしてその手法は徹底した非暴力の闘い、つまり『非暴力による全ての人民の権利の獲得』。これが『08憲章』の目的であり、同時にそれは中国の近代化と文明化を進める上での唯一の道だと信じる」と明言する。Liu氏とBao氏は多くの警察官に包囲される中で行なわれたtea house会議で互いに知り合うようになったという。

香港のトップベンチャー企業創設者であるEric Li(李天翔)氏は「中国に西欧型民主主義を促す人たちはそれに伴う騒乱を考慮すべきだ」として、“Western-styled electoral democracy could only lead China to tyrannical populism and extreme nationalism”(西欧型選挙制度による民主主義は中国を独裁的人民主義と極端なナショナリズムに走らせるに過ぎないかもしれない)と分析する。10日のNobel Peace Prize授賞式で主役の席は空席になろう。その結果、西欧社会は中国の一党独裁体制に一種の制裁を課すに違いない。
“A color revolution in China? Keep in red”(中国に紅旗革命? 紅は変わらぬ)--Eric Li氏の見方だ。
中国の民衆は美国(米国)に憧れ、当局もGDPで日本を追い抜き、USAを猛追しあわよくば・・と躍起になっている。でも民衆は「日本の勤勉さは学ばなきゃならない」と我が国にの技術水準の高さにも一目置く。
排外主義と拝外主義が交差するChina。
いま論議沸騰の内部告発サイトWikiLeaksが中国外交公電を明らかにした。そのなかで李克強副首相が07年、中国のGDPについて「人為的なものなので、信頼できない」と、当時の駐中米大使に話していたという。

中国のGDPをめぐっては、成長率を競う地方政府が数値を水増ししていると疑う専門家筋もいるが、この李副首相の内部告発、当局の逆鱗に触れ、降格か追放か?。それともWikiLeakesなぞ無視するか? 出方が注目される。