経済不況の三悪(枢軸)は?

中国政府や独政府そして米共和党が進めようとしている経済政策について、Paul Krugman教授が舌鋒鋭く明快に切り込んだ。


この三者は共通して一体何をしようとしているのかと疑問を呈する。
“They're all trying to bully the Federal Reserve into calling off its efforts to create jobs. And the motives of all three are highly suspect”(連中は同じ穴のムジナだ。中央銀行をイジメ、雇用創出のための努力に待ったをかけようと躍起になっている。三者の狙いは全くウサン臭い)
FRB(米連邦準備理事会)Bernanke議長が独フランクフルトでの講演で、世界経済の回復には米経済がより堅調になる必要があると述べ、FRBが実施している追加国債買い入れに対する批判に反論。併せて、中国の為替政策を暗に批判した。

Paul Krugman氏によれば“It's not as if the Fed is doing anything radical. It' true that the Fed normally conducts monetary policy by buying short-term U.S. government debt,... ”(まるでFRBが何か急進的な政策に走っているいるかのように批判しているがそれは当たらない。FRBが米国の短期債務を購入する金融政策を進めるのは明らかに妥当だ・・・)

財政専門家のStan Collender氏が8月にBernanke議長に警告していた。“With the Republican policy makers seeing economic hardship as the path to election glory, they will be opposed to any actions by the Federal Reserve that will make economy better. In short, their real fear is not that the Fed actions will be harmful, it is that they might succeed.”(共和党の政策立案者たちは経済面の難局が中間選挙の勝利への道につながることを見越して、経済の建て直しを図ろうとするFRBの政策にことごとく楯突くだろう。要するに、彼らが恐れているのはFRBの政策が誤ったものとなることでなく、政策が成功を収めることなのだ)
これぞまさしく“Axis of depression”(不況の枢軸=悪の枢軸)だ。
Bernanke議長に対する批判の中にも真面目かつ道理に叶ったものもある。が、FED攻撃の中核は党利党略以外の何物でもない。

中独両国は、米国を競争相手から置いてきぼりにしたがっている。GOPはDPがthe White Houseの主人でいる限り米国経済が低迷のままであってほしいわけだ。もしBernanke議長が彼らのイジメに屈すれば、三悪人の思うツボになる。

FRB議長Mr Bernankeよ、要警戒! 枢軸の奸計にくれぐれもご用心を!≫