不屈の闘女Nancy

大敗した下院Demの多くはBlue Dog(保守穏健派)だった。
リベラル派は余り痛手を受けず再選されている。同派の盟主がHouse SpeakerのNancy Pelosi院内総務だ。

このDPのトップは今度Minority leaderとなり、来年1月House Speakerの座をGOPのJohn Boehnerに明け渡すことになる。
そこで、Pelosi女史の責任問題が浮上。DP内でも交代論が根強い。スポーツ界のケースに照らして、“When you suffer a defeat as big as we have, you have to change something. And often you have to change the person who led you in that direction.”(今回のような惨敗に終れば何かを変えなきゃならん。つまり、たいがい指導者を変えるのが通例だ)と説く同党議員もいる。
何年もuntouchableのまま手をつけるのがほぼ不可能と考えられてきた積年の難題Health Care Reform Billを議会通過させた最大の功労者はNancyをおいて他にいない。

元The Washington Postのコラムニストでビューリッツァー賞受賞ジャーナリストのEugene Robinsonは“Nancy Pelosi--a speaker who stood up”(ナンシー・ぺロシーは不屈の議長)と女史の手腕について次のように高く評価する。
“Peolsi did what was right for the country, and what's right isn't always what's popular. Democrats may decide they need a less-polarizing figure as minority leader; if they do, well, that's politics. But I'd love to see her stay in the Democratic leadership--and I'm betting that eventually she'd find a way to take back the gavel that she pounds with such righteous authority.”(ペロシーは国家にとって正しいことをやり遂げた。正しいことが国民にとって不人気の場合もある。民主党が野党のリーダーとして穏健派を求める決断するかもしれない。それもいいだろう。それが政治と云うものだ。が、私は彼女の民主党でのリーダーシップを改めて拝見したい。私は彼女に賭けたい。いずれあの正義の権威をもって議長席を叩く小槌を取り戻すだろうと)


Pelosi女史は表明した。次の議会においても野党党首として名乗り出る決意だ。“Our work is far from finished”(我々の仕事は緒についたばかりだ)
リベラル派の議員が大勢を占めるDC下院の地図を見れば、彼女の再登板は間違いなかろう。
President Obamaは議会政党内のことだとしてノーコメント。Pelosi女史との距離が開くかもしれない。
当初“FIRE PELOSI”(ペロシーはクビだ)の旗を挙げていたGOPが今度は“HIRE PELOSI”(ペロシーは雇用更新だ)ときた。


狙いはDPの内部亀裂を誘い2012年のObama再選を阻止せんとするところにあるはずだ。