GOPの次の狙いは見え透いている−“Obama, don't change the course but change your ways”

The Midterm ElectionにおけるDPの歴史的敗北を受けて米英メデイァはBarack Obamaの頭にいろんな冠を被せている。
rebuke(懲戒を受けた)、chastened(懲らしめられた)、subdued(征服された)、shellacking(完敗の)等々。
昨日のThe White Houseでの記者会見は苦渋に満ちたものだった。恐らく同氏の政界における最大の“惨事”だったに違いない。

会見でのPresident ObamaのコメントをReuters通信は次のように伝える。
“Obama said he has made progress on improving the economy but believed
'people are frustrated' by weak economic condition.'Clearly too many Americans haven't felt that progress yet, and they told us that yesterday. And,as president, I take responsibility for that,' he said”(経済は回復基調にあるが、国民は脆弱な経済状況にイライラが募らせた。経済回復を実感できないとする米国人が余りにも多い事実が昨日の答えとなって返ってきた。大統領として、その責任は私にあります)
Barack Obamaは謙虚だ。
GOPの議会指導者らをThe White Houseの昼食会に招き、New Bipartisanship(新たな超党派的提携)の確立を提案した。
2年前の米国初の非白人大統領の誕生に先駆けて、米国初の女性下院議長に就任したNancy Pelosi。、論議沸騰したMedicare Bill1を成立させるなど一貫してPresident Obamaを支持した同女史も来年1月House Speakerの椅子をGOP下院院内総務のJohn Boehner(ジョン・ベーナ−)氏に明け渡すことになる。筋金入りのリベラル派Demであるだけに残念だ。


このBoehner以上に強硬なタカ派がGOP上院院内総務Mich McConnell(ミッチ・マコーネル)だ。Boehnerは早々とObama氏のChangeを逆手にとって“Change the course”と喚いている。
両氏ともDP主導の“Health-care overhaul”(医療保険制度改革法)の撤廃を求めている。さらに彼らの魂胆、真の狙いは明らかだ。
Obama氏の協議の申し出に真面目に応じる気などさらさらないようだ。
McConell曰く“We can hope the president will start listening to the electorate after Tuesday's election. But we can't plan on it”(選挙結果を受けて大統領は議会筋の声に耳を貸そうとするのは結構だが、我々はその手に乗らない)
彼等の本音をMcConnellが吐露している。
“the single most important thing we want to achieve is for President Obama to be a one-term president”(我々の達成すべき唯一最重要課題はオバマ氏を一期だけの大統領に終わらせることだ)

“Tea Party”の扱いも伝統的GOP議員にとって厄介だ。早速“Tea Party Pushes GOP to Acknowledge its Clout”(我々の威力を自覚せよ)とGOPに迫っている。
DPの穏健派中道派有志連合をBlue Dog Coalitionと呼ぶが、McConnellらGOPリーダーはBlue DogがGOPに擦り寄ってくるだろうが、一蹴するという。

知事選もDP地盤までGOPに奪取され、Barack Obamaの≪再選に暗雲≫と予測する主要メディアもある。
数々の論評の中で注目すべきはピューリッツア賞を受けた米ジャーナリストDavid S. Broder氏の≪Obama, change your ways≫と題するコラムだ。

Broder氏は「可及的速やかにGOPの上院リーダーMcConnellと下院院内総務Boehnerに手を差し伸べることが喫緊の課題だとしたうえで、“Obama tried governing on the model preferred by congressional Democrats and the result was the loss of Democratic seats and his own reputation. Now he should try governing his own way.”
(オバマ氏は下院民主党好みの定型に沿って政権運営を試みたが、結果は大幅な議席減と自身の支持率低下となったあらわれた。今こそ、自らの主体的手法によって政権運営すべきだ)
“It cannot work worse, and it might yield much better results ”
(これ以上事態は悪くならない、結果は好転してゆくかもしれない)
Every cloud has a silver liningといこう!