Barack Obama起床!

“GOP captures control of House:Democrats to retain Senate”
Midterm electionの大勢がほぼ判明した直後のThe Washington PostのHeadlineだが、主な英米紙に共通した見出しだ。

Tea Party旋風が吹き荒れたことは確かだが、この神輿に乗って当選した新人議員は全て白人。「小さな政府」「政府は口出しするな」が彼等の決まり文句、それ以外これといった明確な政策など持っていない。

Obama民主党政権にとっては下院は歴史的敗北だが、それで米国の歴史・伝統が変わるものでもない。
上院で注目すべきは、Nevada州で苦戦を強いられてきた民主党リーダーのHarry Reid氏が、そしてCalifornia州ではベテランのBarbara Boxer女史が僅差とはいえ、それぞれTea Partyが支持した素人候補を破ったことだ。Harry Reid議員は元ボクサーだ。「明日から第二ラウンドのスタートだ」と意気軒昂だ。


さらに特筆すべきは、Delaware州のSenateだ。Tea Partyの申し子、象徴的存在だったChristine O'Donnell候補がほぼ完敗に近い結果となった。Meghan McCain嬢に“nut job”(=crazy person)とこき下ろされた政治音痴のO'Donnell女史、当初の人気が急降下したのも無理は無い。


大衆紙USA Todayは“Voters Send Angry Message”と今回の選挙結果はObama政権に対する怒りのメッセージだとコメント。
今回の中間選挙に対する米国の大学生の姿勢はどうだったか。2年前Barack Obamaの登場に熱狂した学生達の態度は冷ややそのもの。投票に出かけたのは2割程度だ。「Obamaに対し期待が高すぎたようだ」と某女子学生は語る。米国人の期待がどうにもならない失望感に変わったのたか。一概にそうとも言えない。「いろんな困難な問題に直面してもなんとか解決してきたのがアメリカだ」と意思的楽観主義者。
HouseはGOPが圧倒的マジョリティ。Senateは辛うじてDems.が多数派だ。

President Obamaの舵取りは困難を極めるだろう、一夜明けた10/3、DPに安堵のムードが漂う。
英紙The Guardianは“Midterm election results: a wake-up call for Barack Obama”のヘッドライン。2012年のPresidential Electionに向けて経済回復、景気浮揚が何よりも喫緊かつ不可欠の課題だ。至難だが成せば成る。

Tea Party派のGOP当選議員は「保守派が目覚め、米国の将来を担っていく」と勢いづいているが、Barack Obamaに「内向きなるな。目覚めよ」と呼びかけたい。