劉霞さんを自宅幽閉−−どこまでやるのCPC!

服役中の劉暁波さんとの涙の面会を終えた劉霞夫人だが、待っていたのは当局による自宅軟禁。Aung San Suu Kyi女史と同じだ。外出は警察官に周囲を囲まれ身動きできない。彼女だけでなく彼女の兄弟の携帯電話も遮断され、外部からの連絡不能。中国在住のEU代表まで劉霞さんと電話連絡できない有様だ。


上海世界万博のため昨日訪中したノルウェイの漁業相だが、明日中国副首相と会談を約束されていながら、中国当局はキャンセル。



劉暁波氏へのNobel Peace Prizeを予測していたのか、受賞発表前に同氏への授賞は中国・ノルウェイの関係に悪影響を及ぼすだろうと事前警告していた中国政府。オスロのNobel Peace Prize選考委員会が国家から独立した機関であることなど先刻承知のうえのはずである。

現在訪日中のDalai Lama氏は「開放的で透明な社会づくりが全ての中国人民を救う唯一の道だが、北京の指導者層のなかに相変わらず旧い思想に取り付かれている強硬派が存在するのが問題だ」と語っている。
北京の街を往来する一般人の多くは、ネットで真相を把握している人たちも少なくないが、国営メディアによる情報操作と報道規制に洗脳され、見ざる言わざる聞かざるが賢明だと考えているようだ。
中国紙、The Global Timesはオスロの選考委員会に対し社説のなかで声明を発している−−

“The Nobel committee once again displayed its arrogance and prejudice against a country that has made the most remarkable economic and social progress in the past three decades. In 1989, the Dalai Lama, a separatist, won the prize. Liu Xiaobo, the new winner, wants to copy Western political systems in China. They are trying to impose Western values on China...China's success story speaks louder than the Nobel Peace Prize”(ノーベル賞選考委員会はこの30年間、最も驚異的な経済的、社会的発展を遂げてきた国家に対しまたもや傲慢かつ偏見に満ちた態度を示した。1989年、国家分離主義者のダライ・ラマに授与し、今回の新たな受賞者劉暁波は中国国内で西欧政治制度を模倣したがる人物である。選考委員会は中国に西欧の価値観を押し付けようとしている。声を大にして語るべきは、ノーベル平和賞より中国のサクセス・ストーリーの方だ」
かつての民主活動家に言わせれば「劉暁波氏の受賞は政治的色彩そのものだ。ダライ・ラマへの授賞の場合に酷似している。西欧側の中国観の顕れであり、彼らが我が国に送ったメッセージがこの賞だ」。ありきたりのコメントだ。
北京の街中では今回のノーベル平和賞受賞者の決定を批判する声が多い。某大学教授は匿名で語る。「中国は確かに民主化や人権をめぐり様々な問題を抱えているが、国民はこうした現状を改善しようとしている政府の努力を理解している点を認識すべきだ」

これが一般的中国人の世論なのか。それとも経済大国に発展する北京など大都市市民特有の認識なのか。あるいは、同国の徹底したメディア操作・統制により洗脳されたものか。