National Socialistスキンヘッド族は反社会的暴力集団

2010FIFA World Cup South Africaでドイツ・チームが4強まで進出した背景に多文化共生を目指す同国の国是・政策がある。
海外からの移民者が全人口の1割を占めるドイツ。なかでも注目されるのは中東系移民の二世、三世が多い点だ。
例えば、サッカー・ナショナルチーム活躍の立役者、メスード・エジル(Mesult Ozil)はトルコ系移民三世である。エジルドイツ国籍を得ることができたのはドイツの大きな変化による。

“従来ドイツは国籍付与に血統主義を取り、外国人の帰化に厳しい制度を採ってきた。その国籍法が2000年に改正され、一部出生主義を取り入れたのだ。ドイツで生まれ育った移民三世のエジルに国籍が与えられたのは、この国籍法の改正によってである”
数少ない信頼できる中東・イラク問題専門家の外大教授S.K先生のコラムを拝見してなるほどと合点がいった。
ところが、ドイツ国内のイスラム教徒トルコ系移民に対する排撃・攻撃を繰り返す集団が存在する。いわゆるネオナチ(Neo-Nazism)、Hitlerの国家社会主義労働党の思想を受け継ぐと称して活動する(政治)勢力だが、実態はHitlerやNaziを支持しているわけでもなく、単なる欧米の極右的民族主義者と呼んだ方が正しいようだ。


なかでも厄介なのが、特に旧東独地域に集中するスキンベッド。2006年現在ドイツ全土に10000人以上いる。暴力思想の持ち主で、、人種差別(白人至上主義)、外国人排撃、排外主義に凝り固まっている。今年4月にも米国LAで黒装束の約500人の集団がNational Socialist Movementと称し、黒人やヒスパニックに攻撃し大変なトラブルに発展した。


National Socialist Movementが「国家社会主義運動」を意味する点から見れば、Hitler、Nazi党に郷愁を抱く亡霊たちだが、他民族の移住者によって職を奪われたと感じる若者達の間にはびこる一種の流行・ファッションとも見られるものの、近年Muslim=Terrorとの誇大妄想を抱き、イスラム教徒を主たる攻撃対象と名指している。このため宗教と民族を巻き込むトラブル・メーカーとなっている。


折りしも本日某紙に“ドイツ南部−ネオナチはお断り、飲食店、暴力に抵抗”のヘッドライン−−
「独南部Regensburgで飲食店がネオナチへの接客を拒否する運動を開始した。飲食店の従業員がネオナチに襲われる事件が起きたのをきっかけに、市内飲食店の三分の一に当たる90店がこの運動への参加を表明した」という。
運動の呼びかけ人の話によると、この従業員は六月末、少なくとも5人のネオチナのグループから殴る蹴るの暴行を受け、重傷を負い入院した。従業員はその二週間前、黒人の母娘に嫌がらせをしていたネオナチ・グループを制止。その復讐・報復だったようだ。


ネオナチを名乗るグループはドイツやEU圏だけではない。米国・カナダなどにも跋扈している反社会暴力集団であり、時と場合によって米国タカ派集団と連帯しかねない。Barack Obamaの暗殺計画まで企んだ。要警戒だ。