The National Bankruptcyにめげず世界最大級の祭典−calcio(カルチョ)へ

FIFA(国際サッカー連盟)W杯南ア大会が始まった。主要紙は大きく紙面を割き、NHK TVは独占放映権を得たのか異様な入れ込みようだ。
「世界の祭典」だ。ヨーロッパ、南米、アフリカだけではなく五輪よりも熱狂している国も多い。国際サッカー連盟をFederation Internationale de Football Associationと称する。soccerの名が見られない。近代サッカーの発祥の地英国ではAssociation Footballと呼ぶ。この名に野球などに見られない大衆性、国際性が感じられる。サッカーが第一回アテネ五輪から正式種目として採用されたのも肯ける。

このギリシャが今夜韓国と対戦して敗北した。2-0。完敗というべきか。
いまギリシャは辛い。The National Bankruptcy of Greece(経済破綻国家ギリシャ)が皮肉にもRising Korea(躍進する韓国)と戦うハメになった。
よく友人にギリシャへの旅行を勧められるが、目下躊躇している。Greeceは観光立国だ。世界文明の発祥の地だ。さしたる産業もない。海外からの旅行客を当て込むしかない。その国が特にEU圏を震撼させ世界経済に少なからず余波を与えている。観光客は激減ではないだろうか。

Greeceの祭典と云えばEaster(復活祭)だ。“キリストの復活を祝う行事で、ちょうど日本のお盆のように人々が故郷に帰省するなど、ギリシャ全土が祝祭ムードに包まれる。ロケット花火を激しく打ち合う『花火戦争』や、広場の窓から陶器を落とす催しなど、地域によって祝い方にさまざまな特色がある”(A紙今夕刊より)。毎年3月〜4月にかけて行なわれるこのEasterをギリシャ国民が存分に祝えるようになれば、Greeceも“復活”し、soccerも強くなろう。


ちなみに一年前に訪れたFirenzeでは17世紀、Calcio Fiorentino(カルチョ・フィオレンティノ)で賑わった。calcioはItalyでサッカーの意味だ。さすがFirenzeだ。Association Footballの歴史も古い。Japanと云えばNakataが口をついて出るサッカー王国、トスカーナ地方にもFIFA加盟のプロチームがある。Firenzeを本拠地とするFiorentina。最近低迷気味だ。

『どうして、あんな、つまらない時代遅れの街に住むのかね?』
50年前某イタリア人作家がFirenze在住の友人に問い掛けている。Firenzeは街全体が世界遺産だ。時代遅れは当然だ。“遅れて来たフィレンッエ人”などとバカにするほうが可笑しい。