“Don't ask, don't tell”---尋問するべからず、打ち明けるべからず!

Gulf of MexicoのBPによるOil Disasterの解決の見通しは今なお不透明だ。
原油流出事故が発生して以来47日になる。
先月上旬、BPが新たな解決策“Top Kill”作戦に出た。メキシコ湾の海底に吹き出る原油を「封じこめる」措置だが失敗に終わった。

「環境への影響はたいしたことはない」などと事件発生直後、英BP(国際石油資本)が発言し米国人が激怒、厳しい批判の矛先がPresident Obamaに向けられた。被災地は5年前のハリケーンKatrinaの場合と同じルイジアナ州だ。吹き出た原油は自然豊かな海に流れ続けている。このままだとObama政権にとって致命傷になりかねず「オバマカトリーナ」とささやかれる始末だ。
この事態を乗り切るには米沿岸警備隊(the Coast Guard)の力に頼る以外ないだろう。現場を取り仕切るのがthe commander,Adm. Thad W. Allen(アレン大将)だ。61歳、司令官として4年の任期を終え、5月25日に退役し、悠々自適の生活を送る予定だったのが、今度の事故で現場監督に命ぜられ、最前線に立ち続けている。アレン大将はTV番組で「沿岸190kmに原油流出が広がっている」「原油封じ込めには秋までかかるだろう」「生態系の恢復には数年かかる」とコメント。

President Obama1も東南アジアの歴訪を延期し、3度目の現地入り。原油事故対策を内政の最優先課題にかかげる。政権の浮沈はアレン大将の神通力にかかっている。伝説の大将が米政権の命運を握っているといえよう(6/8 A紙朝刊参照)

ところで連日メディアを駆け回り会見をこなしているAllen大将も、今後の見通しについて本音は“Don't ask, don't tell”(訊かないでくれ、言わないでくれ)ってところだろう。
この“Don't ask, don't tell”(DADT)だが、米軍のゲイ(同性愛者)に対するpolicyとして知られている。93年当時のClinton政権が大統領命令として確立した政令だ。“Don't tell”は軍隊内で自分がゲイであることを告白することを含めて、ゲイの人がゲイに関する発言をしないことで、“Don't ask”は上官が部下に対して、ゲイであるかどうかを調査してはならいないというものである。


ところが、このPolicyが実施されて以来、毎年約1000名近いゲイが除隊となっている。
President Obamaは今年1月の一般教書演説でゲイに対するこの“Don't ask, don't tell”ポリシーを年内に廃止すると発表した。
Vietnam Warで捕虜体験のあるJ.マケイン上院議員は、このpolicyは完璧ではないが有効的だとして、廃止に反対している。
ゲイに対してリベラルなDPの大統領である点からかみれば、当たり前の施策だろうが、それなりに上手くいっていたDADT policyの廃案には相当な勇気がいる。優柔不断さが指摘されつつあるPresident Obamaがはたして断行しきれるか。