Barack Obama、２歩前進--Health Care Billの下院僅差可決の後は・・

The NY TimesからBreaking News Alert(速報)が今日昼下がりメール配信されてきた。
“Seeping Health Care Overhaul Passes the House, 220-215”のヘッドライン。発信時間は米東部時間11月7日午後11時15分。
米下院が医療保険制度改法案を可決した。賛成票は過半数(218票)ぎりぎり の220票、反対票と5票の僅差だった。

The NY Times com速報メール受信後の午後2時35分、President Barack Obamaよりメールが届いた。件名は“Making History”。冒頭部は---
This evening , at 11:15 p.m., the House of Representatives voted to pass their health insurance reform bill. Despite countless attempts over nearly a century, no chamber of Congress has ever before passed comprehensive health reform. This is history.
ほぼ半世紀に亘り幾度とも無くDPが法案を提出したものの悉く葬り去られた超困難な法案である。その点、同法案を内政の最重点課題と位置づけるObama Administrationにとって下院での可決は“歴史的快挙”に向けての大きな前進となったことは確かだ。同法案の審議は今後、独自の法案を検討している上院に移ることになる。President Obamaは上院での法案可決にも自信を示しているが、下院での僅差可決からみれば、かなりの妥協を求められるものと見られる。

Obama氏には余りにも超難題が山積している。先日、米国政府は10月の失業率が10.2%に達したと報じた。the Great Depression以来最悪の数字であるが、このなかには求職を諦めている者や、フルタイマーの仕事を求めながら現在アルバイトに甘んじている人たちの数は含まれていない。それらを含めれば米国の失業率は17.5%になるという。
国際問題も解決の糸口が見えない。Bush政権の終焉に歓喜し、Obama氏の登場に熱狂した欧州も、混迷するアフガン、イランやバレスチナ問題などにつき、米政権に対し、“不満の連鎖・悪循環”へと変わりつつある。Obama氏が欧州が嫌悪したBush政権の政策と明確に決別しないからだという。当の米国側は欧州諸国が余りにも受身的で、難題に苦闘するObama氏の行動を傍観しているにだけだと批難している。
The NY Times-Weekly Reviewの最新号の一面にはDoubts About Obama(オバマについての疑問)のヘッドラインと併せ、“In First Year, an Education for a President”。≪昨年11月、大統領に当選したOmama氏にとってこの１年は≪大統領としての研修・見習い期間≫だったとの捉え方だ。
「Mr Obamaは言葉はAudacity(勇猛果敢)だが、行動はtimidity(臆病・優柔不断)だ」と酷評する米メディアも見られるが、次のようなObama評が案外的を射ているかもしれない。
“He has proved to be an activist president,.....He is a study in contradictions, bold yet cautious, radical yet pragmatic, all depending on whose prism you use.”(彼は、行動派大統領だということを証明してきた。・・・彼は自己矛盾に満ちた人物としての研究対象になる。大胆にして用心深く、急進的なようで現実的だ。これらすべて見る側のプリズムの使い方によって評価は異なる)