里親に喝采!

親交を深めて35年になる、親戚のようなfamilyが海の向こうにいる。
お付き合いは我が家族・一族三世代に及ぶが、そのルーツというべきOld Mamは85歳、いろんな病を克服し、信仰厚きまさにボス的存在だ。子供が七人、孫・曾孫・曾曾孫と何と五世代家族だから驚異的といわざるを得ない。
ボクがはじめて同家とめぐり会ったのは70年代半ばだが、その時まだ所帯を持たず両親と一緒に住んでいた14歳の末っ子のほかに、もう1人同い歳の中学生の女の子がいた。これがadoptionだ。生みの親が離別し、捨てられてしまったため養女として育てられているわけだ。市長を三期つとめる人望ある夫婦なのか、こうした恵まれぬ子供を三組里子として育てあげ、独立し結婚するまで養育していた。
日本では里親(foster parents)はまだ極少だ。人口12700万の国にありながら里子として育てられている子供たち2007年度で35,925人だという。それでも都内校外の八王子には23年間に12人もの里子を引き取り育て上げたご夫婦もいらっしゃるという。

米紙CS Monitorは日本では馴染みの薄い里親システムに優れた先鞭をつけるケースだと特筆している。我が国政府もこの制度を奨励すべく一歩を踏み出しつつあるが、血縁を重視する日本の家族制度の壁は厚く、特に学校などでは依然として偏見が強いのが現実だ。
一昨年身内四人で、海の向こうのbig familyを訪れ、久しぶりにgreat old Mamに逢った。その眼差しや仕草に接すると、若くして母親に逝かれたボクにとってはまるでfoster motherのように感じられた。