米大統領選に共通するキーワードは・・

「今年の大統領選挙のキーワードは3つある。『中産階級』『経済』『変革』だ」
これは、16年前、共同通信ワシントン支局のM氏による1992年の大統領選レポートの一部である。
この年、Papa Bushが再選を目ざしてBill Clinton氏と争った。当時、湾岸戦争終了直後90%近くまで達していたPapa Bushの支持率は、30%台に低迷、歴代大統領のなかで史上最高支持率低下を記録した。再選に不可欠のカギは、外交問題ではない。景気動向、庶民の“懐具合”である。その景気は好転の兆しを見せず、選挙本番の秋、Papa Bush大統領の勝機の確率は非常に薄くなってきていると予測された。

結果はBill Clintonの勝利。Reagan氏からPapa Bushに引き継がれた共和党政権が民主党に移行した年だった。
今年の大統領選のキーワードも16年前と酷似している。ただ、Barack Obama氏はキーワードのなかでも、ChangeとHopesとUniteを鮮明に打ち出し、老若男女・人種・宗教を超え多くの米国人がそれに共鳴した点が当時と異なる。
目下のところ、11/4の本選挙で勝利したObama氏はPresident-electと呼称されている。次期大統領と云う意味だが、本来は「大統領当選者」と呼ぶのが正しい。大統領選挙人団の投票は12月半ば各州郡で実施される。開票は来年の1月6日、上下両院の合同会議で行われる。
新大統領の就任式は1月20日正午となっている。
ところで、大統領選挙人団による選挙だが、選挙人はおおむねその地方で党に貢献してきた市民だから問題なかろうが、法律上は自由投票できるため、自分の州の行くべき候補以外に投票するへそ曲りが現れることもあるという。これをfaithless electorという。現実的には考えられないが、不誠実な(faithless)な裏切り者の選挙人が多く現れた場合どうなるの?