タカ派に傾く米共和党政策綱領-McCain色あせ、Palinが主役?

アラスカ州知事Sarah Palin女史の副大統領指名で共和党保守派勢いづいている。St. Paulでの全国党大会で「イラク戦争継続」「アフガン増派」「人口避妊禁止の法制化」「移民の受入れ規制」など、次々とタカ派色政策綱領を採択してしまった。一匹オオカミの中道保守John McCain氏は脇に追いやられ、何かと物議を醸している超保守派Sarah Palinが主役にまわるのではないか。
英紙The Times電子版のHeadlineは“Sarah Palin set to take cente stage after all the storm and tempest”(大嵐と大騒動のあと中央ステージに立つサラ・ペイリン)だ。

President BushはPalin女史をVPに指名をMcCain氏を手放しで称賛し、前民主党副大統領候補だったあのLieberman氏までが支持を表明する有様だ。いまGOP(共和党)はタカ派ムード一色。共和党の大票田キリスト教保守派の存在と声が重みを増してきた。4年前、8年前の再来だ。結局McCain氏もBush政権を継承するしかないのだろう。
Minnesota州は歴史的に民主党の地盤だ。その州都St. Paulで今度の全国党大会を開くところに同党の狙いがあるはずだ。
そのSt.Paulの党大会会場に向けて全米最大の反戦団体「平和と正義のための連合」のデモ行進があった。参加者約10,000人。25人が逮捕された。先のDenverでも抗議行動は行われたが、デモの規模と勢いは比較にならない。反戦イラク帰還兵の会が共和党大会会場に出向き、McCain氏宛てに戦争の終結を要請する書簡を届けたが、受け取りを拒否されたという。

Obama民主党支持者の胸のワッペンに“McCan't”、共和党支持者のTシャツの背中には“NObama”の文字が覗く。