恐怖と憎悪こそterroristsの思うツボ

国際社会に衝撃を与えたパリの同時テロ事件。市民の恐怖心を煽るのがterroristsの狙いだ。「西欧文明を破壊せんとする組織化された企てだ」などと定義する政治家もいるが、さにあらず。市民の間にパニックを植えつける企てだと言える。そもそもあのterror attackはなんだったのか? レストランやコンサートホールでの無差別乱射。それこそ犯罪者たちの根本的弱みの表われだ。パリに「イスラム国」を樹立するわけでもない。せいぜいやれることといえば恐怖を吹き込むこと。だからテロリズムと呼ぶのであって、<戦争>などという大それた称号を与えるべきでない。
President Obamaは「気候変動は我々が直面する脅威だ」と説く。まさにその通り。それに比べてテロリズムは我々の文明社会を破壊できない。地球温暖化の脅威と次元が異なる。国際社会にとって最重要課題は「恐怖に屈しない」こと。"Terrorists are weak. Our response is the real danger"--最も危険で警戒すべきは我々の過剰反応だ。"Fearing Fear Itself"(恐怖心そのものが恐ろしい)とPaul Krugman教授。
 「私はあなたたちの願い通りに憎しみを抱いたりはしません。憎悪と怒りで応じれば、今あなたたちのように無知の犠牲者になるだけです。あなたたちは私が恐れを抱き、同胞に不審な気持ちを持ち、安全に生きるために自由を失うことを望んでいる。あなたたちの負けです」ーパリのテロで妻を亡くしたジャーナリストが綴ったメッセージだ。深い共感を呼ぶ。