良き米国の姿はどちら?--GOPと格の違いを見せたDNC

9/11から早や11年になる。記憶が“風化”しつつあるとも云われるが・・・。
アメリカは多民族国家です。ヨーロッパ、アフリカなど世界各地からやって来た移民によってつくられた国です。特にニューヨークなどの大都市には、さまざまな民族、文化、宗教が集まっていることから、人種のサラダボウルと表現されています。キリスト教イスラム教、仏教、ヒンドゥ教、ユダヤ教....。多民族、多宗教だからこそ生まれる多種多様の考え、幅広い文化。これがアメリカの誇るべき特徴でした。ところが9/11を境に、自分と他人との違いをあらさがしする異様な雰囲気が、社会全体をおおってしまったのです』--

シリアで非業の最期を遂げた女性ジャーナリスト山本美香さんの遺した著書【戦争を取材する】(講談社)の結びの一部だ。10代になったばかりの小学校上級生でも読むことのできる良書だ。
時の大統領G. Bushは米国人に愛国心を煽り、ビルや民家の到るところ星条旗が掲げられていた。<悪の枢軸>(Axis of Evil)なる3国を名指しして国民の人気が頂点に達していたPresident Bushだが、第一期目の大統領選、DPのAl Goreと稀にみる接戦となりFlorida州票の集計のし直しによって辛うじて勝利・・。それも最高裁にまで持ち込まれ、疑惑つきの新大統領誕生と相成った。




この曰くつき、因縁あるフロリダ州Tampaで先月末GOP(Republicans)の全国大会が開かれMitt Romneyが大統領候補に指名、Romneyが副大統領候補に選んだのがウィスコンシン州選出の下院議員Paul Ryan。President Obamaが雇用創出に怠慢だと批判したところ、たちまちObama氏のジョークでしっぺい返しを食らう有り様だ。

Mitt Romney's vice-presidential pick, Paul Ryan, criticized Obama for not doing enough to create jobs. In response, Obama said, “Didn't you just get a new job?”(ミット・ロムにーが副大統領候補に選んだポール・ライアンが、オバマは雇用創出のための努力を怠っていると批判した。それに対し、オバマ曰く『君、もう新しい仕事にありついたんじゃないの?』)
GOPと全国党大会。まるで白人の金持ち集会の風景だ。保守穏健派のRomneyも超保守グループTea Partyの言いなりならなければ勝機無しと右傾。Tampaの会場はBarack ObamaとThe White Houseに対する敵意丸出しのスピーチのオンパレードだ。

North Carolina州Charlotteで開かれたDNC(民主党党大会)。スピーチの名人Barack Obamaの大統領候補受諾演説の影が薄くなるほど応援演説が凄い。

会場は多民族・複合文化国家の米国の縮図となった。
元大統領Bill Clinton、Joe Biden副大統領の大物をはじめ、ミシガン州前知事Jennifer Granholm女史、そして高感度抜群のファースト・レディMichelle Obama.







スピーチが解り易く品位がある。原稿に目を落とさない。会場のapplause, cheers, laughterが絶えない。GOPと格が違う。Four More Yearsの合唱だ。

    • To be continued--