マネーゲームのツケは重たい

G7が開かれ、金融機関への公的資金の注入を軸とした「行動計画」を打ちだしたがいかがなものか。具体化には時間がかかり、週明けの世界株式市場が落ち着くか先行き不明だ。

なにしろ、公的資金といえば聞こえがいいが、国民の納めた税金を破たんの危機にある銀行など金融機関にまわそうとするものだ。政府はその金融機関の株主にはならないようだが、図式としては国営化を意味する。庶民感情の逆なでになる。。リストラされたり日々の生活に窮している庶民を政府が救援してくれるか。
そもそも今回の危機は震源地の米国を初めといする先進7カ国が招いたものだ。
The NY Timesは“Rich Nations Pushing for Coordination in Rescue”(金持ちの7ヶ国が救済のため共同歩調)のヘッドラインを掲げ、先進7カ国を金持ちの国と揶揄している。
金融・カジノ経済に依存して富裕になった国や業界にツケが廻っているわけだ。

いま金融危機でほとんど銀行が破たんして国全体が非常事態にある小国が存在する。北の島国アイスランドだ。人口わずか30万人強。産業は漁業と鉄鋼資源だけかと思っていたら、とんでもない。GDPはそう高くないが、国民一人当たりの所得は世界のトップランク。金融で食っている国であり、GDPの10倍もの資金を転がし国の経済を運営してきたものだから、今回の世界同時金融危機の大津波をまともにかぶってしまった。
お隣の大国イギリスは助けてくれるどころか、近隣諸国から総スカンを食っている。仕方なくロシアに多額の救援を仰いだ。
ロシアは40億ユーロ(5500億円)を緊急融資したが、アイスランド
への請求書は高いだろう。

ギャンブルに似たマネーゲーム。カジノ経済のツケは重く、立て直しは至難だ。